......の無い

ミキは今まで老後のためにとためていたお金を
一気に吐き出した

爺さんにはとにかく静かに安らげる時間を
みぃは幼稚園を見つけて
ごくごく普通に育つことを祈った
母親のような男好きになりませんように
そう祈って、かわいい洋服を着せたりして
かわいがった

そして、康太は塾に通い始めて水を得た魚のように
勉強しまくっていた
もと、もと、嫌いじゃなかったし
気持ちはミキと全く一緒だった
とにかくここから抜け出す
その方法が勉強しかない
康太は普通の小学生がほしがるようなゲームにも興味を持たなかったし
サッカーや野球もやりたがらなかった

ミキは結構忙しかった
朝から手作りの食事
みぃの幼稚園の支度
爺さんをこざっぱりとさせる
康太の塾の弁当
掃除をしてみぃが帰ってきたら
母親のようにできるだけそばにいて包んであげる
食事も爺さんの健康も考えて作る

この忙しさに身を置くことで
沢村を忘れたいと思い
三人は心底ミキを頼り
この生活は本当に楽しかった