.......の無い

「笑わないか?」

「笑うようなところなの?」

「いや、図書館」

その答えですべてこの子の気持ちは分かった
自分もそうだから
この子は間違いなく自分の弟だ

ミキはまっすぐに康太の中に入った

「私、お金結構持ってるのよ
中学、私立に行く?
あんたが狙っている人生を送るの手伝うよ!」

康太にもまっすぐに伝わった
今まで会ったこともないのに
ミキが何を考えているかすぐにわかった

「でも、合格できるかわからない」

「今、四年生でしょう?
塾に行けば?お金の心配はしないでいいよ」

血は水よりも濃いってこういうことかな
そう思いながら質素ではあるが
栄養の考えられた夕食を並べた

家で炊いた真っ白なご飯
揚げと豆腐の味噌汁
アジの開きに梅干し

小学四年生の康太は食べながら泣いた

「あ、嫌いなら無理しなくていいよ
おにぎりにしてあげようか?」

「俺、こんなご飯にあこがれてたから・・・・・」