.....の無い
元の自分のすべてを消すと
ミキは今からこそ翔子になりきろうと思った
まず、ざっと、掃除をして爺さんを安心させた
「お金は出す!でも、私が必要だと思ったところだけね!
食費は?どうなってるの?
父さんや母さんは?
この子供たちは何?」
こんなことを聞いている時点でまともな家族の話じゃないな
そう、苦笑いした
「ミキ、ここにいてくれるのか?
食費はどっちかが気が向いたときに
あの、玄関のカバンに入れといてくれるよ
おととい、めずらしく康介が来て二万くらい入れたって言ってたけど
康太がすぐにどっか持ち出した
まぁ、給食費とかもずいぶん払ってなかったから
それに使ったのかもしれんがな
ああ、康太とみいはお前の弟と妹、
親父が康介かどうかはわからんがな」
「かあさんは?」
「しばらく顔はださんな
まぁ、いつものことだが
どうせどっかの男のところに転がり込んでいるんじゃないか?」
父さんのほうが少しはましな人間だった
それでも、この爺さんの実の娘はミキの母親である澄江だ