.....の無い

彼は同じように帰って行った

なんだ、あのタイプのお客か.....
あのタイプならベテランのミキのことだ
あしらい方は慣れている

この日までの何かを期待していた自分を
思いっきり笑いたくなる

何かに期待しない
日々、誠意を持って自分の生活ができれば
それだけでいい
翔子にならずとも、幸せを見つけることができ
美味しいコーヒー一杯を
幸せなことだと思える
自分が好きだと思っていた
誰かにときめいても
それが幸せとは限らない

風花は黒服タイプが恋の対象で
下卑た笑いとか、過去のある崩れた生活とか
だから、そんな男と真剣に恋をして
何よりも大事にしている娘をもうけた
彼は酒の飲み過ぎで、裏町のゴミ溜めで
サラリーマンに殴られて死んだ

風花は幸せな奴だと思う
今身のタイプがその辺にいて
子供を作り
さっさと死んでくれた
生きていたらさぞお荷物になっていただろう

ミキはそんな男はゴメンだ
まず、風俗の回りの男なんて
全く興味が無い
恋愛の対象からはずれている
犬や猫のようなものだ