.....の無い

もう、あの小汚い人間たちはいない
うんざりするような安物の服か
30年も前に流行ったような
おかしな服か
なんとも珍妙な組み合わせの服

しゃべることもすべて自分の目の前の
どん欲のためだけの会話

この街のベンチに座っている人たちにも
もちろん、悲しみや
悩みなどもあるのだろうが
そんなものを口に出したり
顔に出したちするほど
下賤な人間では無いようだ

そこまで考えると
ああ、彼だけは違っていたと
思いはほんのりと薄紅色に変わる