魔女

そのスナックには本当にいやいや行ったのだ

自治会の役員会が終わって

ちょっと、カラオケスナックにでも行こうと言うことになり

私はそう言う時に断れるタイプではないし

他に用事もなかったので

しぶしぶついて行った

役員のおじいちゃんの好きそうな40がらみの熟女ママが

一人でやっているらしく

愛想よく相手をしている

そのママが私をチラチラ見てくる

おばさんでウーロン茶しか飲まないと

やっぱりだめなのかなと思っていた

じいちゃんやばあちゃんたちが森進一の歌や

昔の演歌を歌いだして

ママの手が少し空いてくると

彼女は私の横に座った

 

「くうちゃんのママでしょう?

私、人の顔は絶対に忘れないから

間違いないよね?」間違ってたらごめんなさいだけど