発達障害の母

すべてが終わってタクシーで帰って来て

居間でくつろいでいる亜美ちゃんは

本当に心からほっとしたようだった

初めて心からの笑顔で

 

「あ~良かった、本当に良かった」

 

その気持ちはよくわかった

私はもう、その話はしないようにして

 

「体調が良ければ明日にでも大学見学に行ってみる?

せっかく東京に出てきたんだから、他に行きたいところが

あるようだったら、行きましょう」

 

そう、言ってみると

 

しばらく黙っていたのだが

 

「おばさん、今度のことで

誰の赤ちゃんなのか、一言も聞きませんでしたね」

 

そう話を切り出した

私は亜美ちゃんの苦悩にこれ以上入りたくなかったのと

やはり、私にしてみればちょっと、おぞましい感じが

否めなくて、あまり口にしたくなかったのだ