発達障害の母
次の日、店に行ってみると
珍しく友くんは来ていなかった
「何かあったのかしら?」
コーヒーを頼みながらマスターに聞くと
「あの、雅ちゃんが自殺したって」
「え?」
私は立ち上がって、行かなきゃと思ったが
すぐに、いったいどこにって思いなおした
この村にも戻ってきて、ここ以外にどこにも顔は出していない
それに、私は雅ちゃんの自殺を悲しんではいない
もう一度座ると
「知らなかったわ
うちは村の人の中ではハブられているからね」
マスターは
「いや、僕も新参者ですから
客で来ていた雅ちゃん以外は知りませんからね
どうしようもないんです
まぁ、ここだけの話ですけど
彼女、あんな感じだったでしょう?
仕方ないっていうか、実家に帰ったって
あの妹の話では居場所はなかっただろうし」