発達障害の母

「自分がどんなに頭がいいか

そして、どんな風にお金を貯めたかを自慢したくて仕方がない人だった

だから、爺さんを殺して、ついでに三ちゃんも殺して

火災保険も手に入れて、一石三鳥だったって自慢したかったんだけど

さすがにそんなことは言えないって頭だけは残っていて

ボケてから我慢できずにしゃべりだしたんだろう!」

 

友くんの怒りを抑えた声が、真実だと言っているようだった

 

「そんなにまでして手に入れたお金、結局

何に使いたかったの?」

 

「さぁ、農協の通帳に入れて見て喜んでいたんだろう

でも、旦那にパチンコ用に無理やり取られていたけどな」

 

「ああ、今の特養老人ホームのお金も

遠い親戚の人が千絵さんの家も土地も売って

入れたって言ってたからな」

 

「え?お父さんは?」

 

「とっくの昔に知んだよ

ああ、そういえば、あれも火事だったな

酒飲んでいて逃げ遅れたとか

もしかしたら、あれもそうかもな・・・・」