発達障害の母
何よりも、東京に行きたいって言うのが理由なのはよくわかる
それでも、どの子も単純で
とりあえず、お金持ちになりたいらしい
そして、社長になりたいのだ
そのうえで、職種を聞いたりすると
なんかでっかいことが出来るようなこと!
なんて単純なことを言っている
もちろん、田舎の若い子が全部が全部こんな子たちではない
農業を継ごうと真剣に考えている子は
そのために農大に行きたいなんて話すのだが
親のほうが、そのまま都会に染まって
帰って来なかったら嫌だから、田舎で数年遊んで
身を固めてから家を継いでほしいなんて言っている
田舎の人間にとって大学ってところは
四年間、都会で遊んでくるところなのだ
ほとんどの人間が大学に行っていないのだから仕方ないが
親たちの認識は
バブルの頃の東京の学生のちゃらんぽらんな奴らの話で
そこから、一つも進化していない
速水の悩み
速水の悩み
発達障害の母
母は頑張る!とか夢!とかの言葉が大好きだ
まぁ、母が頑張るってことは
若いころから、朝・6時に起きて朝ご飯を作り
洗濯をして昼間で仕事をして弁当を食べ
そして夕方になったら夕ご飯を作って
それを食べて、片付け物をして寝る
普通の人が誰でもしている一日を過ごすことを
頑張る!という
そんな普通の人が過ごす平穏な毎日を
頑張らないと過ごせないのだ
私の親族やこの小さな村、町
そこには発達障害の母だけでなく、そんな人間が多い
だいたい、どの家もまともな人間はいないのではないかと
疑いたくなる
パチンコ、酒、女、男 泥棒、喧嘩、性犯罪
そんなものが生活の中に半分以上入り込んできている
平穏な毎日をものすごく努力しないと過ごせない大人たち
速水の悩み
発達障害の母
美しい緑、夜空には星がきらめく
家から見える景色は古代から存在したであろう
山々の美しさ
そして、家の後ろを流れる川
そこは、私の子供のころからは考えられないほど整備され
そして美しいものとなっている
子供の頃のように大きな石がゴロゴロところがり
その合間にごみが浮き出しているそんな景色は
もうどこを探してもいない
その美しさを否定しはしない
でも、私の中ではそれを思い出すことは
いつだって頭の悪い周りの人間に振り回された過去だけだ
亜美ちゃんのことは、少しいやな気持を残した
この美しい自然の中に住んでいても
若い子たちは、歌舞伎町や渋谷をうろついている
どうしようもない性欲におぼれている
若い人間たちと少しも変わらない
穏やかの空気の流れの中だからこそ
よけい汚く感じたのかもしれない