誘惑の花

京子はここでの評判がすごくよく

お客さんに褒められることはすごく多かった

だから、嬉しい

この仕事をしっかりやっていこう

そんなことはつゆほども思わなかった

京子は東京でライターをやっていた

仕事はもともと、子供の時からやりたいことだったし

その時追っていたネタも政治がらみだった

チームを組むときに京子を抜擢してくれた上司は

京子の男顔向に突っ走っていく仕事のやり方を気に入っていた

それが色々調べたりするうちに

女を使えと言い出した

もちろん、それも覚悟のことではあったが

付き合っていた男が社内の人間だったことが

仕事をややこしくした

そんなこんなで、会社にはいられなくなり

田舎に帰ってきたのだ

もちろん、その男とは別れた

京子の最初の恋愛の感想は

バカな男とは付き合うな!それだけだった

そんな経験をしてきた京子にとって

ここの仕事はバカらしくなるほど簡単でつまらない