おばさんであること

美也は首を振った

満里奈もその調査書を返しながら

 

「でも、どうして、調べてみようなんて思ったの?」

 

「夫がね、お金を貸してくれって言うのよ」

 

「え?どういうこと?」

 

「今まで会社のお金に手を付けていたらしいの

今までばれないようにやって来たけれど

もう、やばいって私に泣きついてきたのよ

それで、私、断ったの

お金は用意できないし、今すぐにでも離婚してほしいって」

 

二人とも、思ってもみなかった展開に驚く

明美の夫はそんな人間だったのか・・・

 

「私、今まで、夫の愛人のこと

全く見て見ぬふりをしてたんだけど

坂の上にのぼせていたから、離婚してもいいって

腹をくくったのよ

そしたら、そんな女、いないって言うの」