ただ、毎日を

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タケオが家を出ても誰も探さなかった
知り合いには自分の実家の近くの有名校に行きたがっていたから
そこに行かせていることにしていた

タケオがいない間、兄のほうが真澄を十分満足させてくれた
就職試験で頑張って一流企業に入ってくれた
これでこそ、私の息子だ

真澄は自分の少女時代を思い出していた

小さな田舎
村ではほとんどの家が親は中卒
子供だって中学さえ出れば、あとは家を継いで農家を手伝うか
都会に出て仕事に就けばいい
そんな村の中で、真澄の家は父親は高卒で
少し離れた町の町役場で働いていた
小学校、中学といつも真澄は一番だった
高校は国立クラスには入れなかったが私立のクラスでは一番だった