発達障害の母

母は賢いのだ

いや、それは知能指数がどうとか知的レベルがどうとかじゃなく

自分が欲しいものは相手の思惑などお構いなしに手に入れる

その、こずるい感じの能力は

家族の中で誰よりもたけていて

人の気持ちを一番に大事にして、できるだけ穏便に生きていきたい

そう思っている小金のある家の次男のお坊ちゃんである父を

手に入れるのなんか簡単であっただろう

恋愛とお金に関してはうまく立ち回るのだ

相手が手を出してくればそれを逆手にとって

絶対に食いついたら離れないスッポンのように目的を達する

24歳だった若い父を責めるのは酷なのかもしれない

私と弟ですらまんまと母のいい人ぶりっ子に騙されて

母の今持っているお金に介在できないのだ

もちろん、それを好きに使おうってことではない

母のために、一番効率的に使う能力を持っていない母のために

使ってあげたいのだ