最近の星人
受験しない子たちは
おばさんであること
満里奈は笑いながら
「そうね、盗みを働いたり
何か犯罪まがいなことをされると困るけれど
でも、それでも紹介する!」
美也も明美も不思議な顔をして満里奈を見つめる
「私ね子供いないでしょう?
だから、あなたたちを見ていると
子供ってある意味リスクというか
冒険というか、そういうものなんだなって
私にないものってそれよね
だから、その子、会ってみたいの
そして、その子の後見人になってもいいわ」
満里奈のその言葉に驚きながらも
美也は確かに子供を持つということは
ただ、ただ、冒険かもしれないそう思った
明美も
「確かにね〜うちの子なんか、本当に心配
最近、女優さんの子供で何度も覚せい剤とかで捕まった男いたじゃない
あれ見ていて、他人事とは思えなかったもの
うちの子だって、ああならないなんて思えない」
最近の星人
小学校の休み時間
おばさんであること
スミカと別れると
満里奈と明美にラインした
何かいい仕事は知らないか?と聞くと
満里奈がすぐに
ちょっと会おうという話になって
三人は集まった
美也の話を聞くと、明美は顔をしかめた
「仕事は紹介できないこともないの
だって、パパの知り合いに店をしている人は沢山いるから
まあ、夜の仕事も紹介できるわよ
だって、そういう仕事が似合う子なんでしょう?」
そう言われて、スミカを思い出す
確かに学歴は中卒だろうし、今は風俗まがいの仕事をしている
でも・・・・
そこまで考えていると
満里奈が
「でも、その子、二十歳なんでしょう?
そういうお店で仕事しようと思えば出来るじゃない!
かわいいんでしょう?
それならば、彼女だって馬鹿じゃなさそうだから
それくらい考えつくはずなのに
そういう所では働いてなかったってことね
私、藤沢の方につてがあるから頼んであげようか?」
「でも、身元も怪しくて保証人になるなんて
大丈夫?」
明美が心配そうに言った
ただ、毎日を
真澄はただただ、おびえて暮らした
ただ、毎日を
速水はすぐに何があったかを把握した
おばさんであること
美也は自分のことを思い出して
スミカが想像していた通りの育ちであることと
大輔が自分と同じ病気かもしれない
そう、思い立つと
スミカに対して親近感がわいてきた
彼女は恵まれない環境で育ち
生きるために努力している
それは、自分の子供たちなんかより
よほど、凄いと感心する
住む家もなく、ただ、自分の体一つで生きていく
綺麗ごとではない彼女の本当の姿は
美也に母親であることを忘れさせた
「これからどうするの?
何かあてはあるの?」
スミカはびっくりしたように美也の顔を見た
「おばさん、どうしたの?
ここはおごってくれるんだよね?
それからもなんとかしてくれるの?」
スミカはほとほと困っていたのだ
早急にお金を手に入れないと生きていけない
美也は家族のことを考えると
特に大輔のことを考えると、家に連れて帰るわけにはいかない