小百合の幸せ

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綾子は小百合を本気で憎むかもしれないと思う
今までは、なんとか、どんなに生まれで負けていても
子育ては負けてはいない
そう、自負していたのに、章子の近況は
幸せそうで、とても自分の子たちには手に入れられないものだ

仕事をしていることは、コンプレックスでしかない
専門職をバリバリとやって、子育てもちゃんとしているなんて
後輩からは憧れられるが
仕事に100パーセント力を入れるなんて贅沢なことはできない
子供たちが最優先!
そんないい加減な仕事の仕方は、自分では納得できない

徹底的に負けている
特に小百合には完敗だ

多くの人間は『勝ってる』とか『負けてる』
とか一体何なの?
そんな尺度はバカげていると言うだろう
でも、妾の家の子供に生まれて
いつだって本妻の子に負けてはいけないと言われて
育った綾子には、他の価値観などあろうはずがない