小百合の幸せ

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ふたりとも、学費の心配のほうが
勉強の心配の後に来るような生活だ

小百合のところだった、章子は自分たちの母校にいて
ごく普通の成績で
あまりぱっとした所のない子だと聞いて
安心していた
彼氏ができて、何かと大変だった話は小百合から聞いた
小百合は嘘はつかないし
綾子相手にはなんでも、喋る

最初は少しほくそえんで聞いていたのに
その、彼である雅紀は中卒であっても才能にあふれているのだろう
社長を見込まれて、今や資金を出してくれる人間だっているのだ

自分の子たちは恋や愛どころじゃない
研究や勉強もお金との戦いで四苦八苦している

綾子は本当は専業主婦にあこがれていた
母との生活の中で
もう、今では古いのかもしれないが
夫が働いて、自分は家で二人の子供の面倒を見る
そうしたかったが、そんなことは幼稚園にやるのですら
無理なことだった