小百合の幸せ
「まあね~彼氏どころじゃないんじゃないかしらね
小百合も大変ね~
でも、回りはみんな、それで納得してるんでしょう?」
「そう、うちの母までもそう言うのよ
私が高校の時に章子みたいなことをしたら
気が狂うほど、怒ったと思うのに
孫には甘いのよね」
「あ、でも、その彼が働いているところって
旦那さんが顧問弁護士をしてるんでしょう?
じゃ、大丈夫じゃないの?」
綾子は自分の本当に意見は小百合には話さない
あたりさわりがないように、小百合の話を引き出すだけだ
「だって、主人の妹が興した会社よ
それは、あたりまえでしょう
主人の実家もなんか変でね~」
「あら、結婚するときにご主人のお姉さんの旦那さんは
東大の教授って言ってなかった?」
「そうなんだけどね~もう、亡くなったから話せるけれど
お義姉さん、中卒だったのよ
たぶん、妹のみぃさんも中卒
今は、イタリアに行ってるけどね」
他の友人や知り合いには絶対話さないことを
綾子には全部話す