小百合の幸せ
綾子は小百合との長い付き合いを思いながら
小百合の話を聞く
康太のこと、章子のこと、章子の恋人の話
今、小百合の周り、実家の母ですら
何でも、『良かった良かった!』で終わる
小百合もその言葉に合わせて
『本当にそう!』なんて言っているが
全く納得していない
それを綾子には心置きなくいえる
「絶対嫌なの
今からでも、そう、だって章子はまだ、高校生よ
何で、中卒の少し足りない男の子と
約束だからって結婚に向かって計画建てなきゃいけないの!
もっと、普通の人なら許せるけど
学歴が中卒って、せめて高卒でしょう?
みんな大賛成ってどういうこと?
私間違ってる?
証拠が可愛いから、こんなお付き合いには反対したいのに」
そこまで話して小百合は
自分ばかり話してはいけない、そんなマニュアルを急に思い出したように
「綾子のところの上のお姉ちゃんは?
結婚とかまだ言ってないの?」
綾子は小百合がそんなことに興味がないのはわかっている