理想の父

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章子は雅紀が好きなのだ

それはいい
娘を持つ以上、そういうことは覚悟していた
しかし、体の関係もあるとなると
父親としては複雑だ
まぁ、それは仕方ないのかもしれない

でも、雅紀が普通じゃない・・・

康太は事件弁護もやる
日本の事件のほとんどは
あまり普通の人はやらない
だいたい、犯人側はやくざがほとんど
やくざとまではいかないまでも
だいたい、そういう輩の犯罪がほとんどで
その人間たちの80パーセントは精神的に何かが足りない
発達障害の人間が多い

雅紀もそいう気がある少年だ
岡本だって、ほとんど計算なんかできない人間なのだ

康太は長いこと弁護士生活をしているうちに
その差はよくわかるようになっていた

やくざな母親に育てられ、教育もちゃんと受けていない
小学校すらロクに出ていない
そんな人間だって、普通の頭があれば
お金の計算はしっかりできるようになる

岡本はそれが無理だった
そして、雅紀も字や数字がよく判断できない
そういうタイプはどんなに立派な家に生まれても
わかるようにはならない