理想の父

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康太は小百合の気持ちはよくわかる
雅紀と章子のことは小百合以上にショックを受けていた
それは、あの数日のことが頭を離れないからだ
最初に章子が家出したとき
岡本に売られる前に気が付いて救い出しに行けた
それは、本当に良かったと心から思う

しかし、その前の二日間
雅紀と夜を過ごしたことは間違いない

あれから、小百合ももちろん、そのことには
触れないし、章子も夜、家を空けることはない
小百合があの事件以来、章子のことは
GPSを使って、いつでも把握している
もし、そんなことがあれば小百合が容赦しないだろう

雅紀の家のほうは
両親ともども康太の事務所に謝りに来た
よさそうな普通の人たちだ
雅紀はもう、高校は辞めている
何でもありの高校だが、さすがにあの事件を起こした
雅紀を置いておくことはできなかったのだろう