旅をしてきた

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小さな子供のころから、間違ったことはしてはいけない
そう習い、それが一体どんなことか
具体的に母が語ることはなかった

法律で禁じられていること、それはもちろんだ
人を殺してはいけない
泥棒をしてはいけない
道徳に反することをしてはいけない

そして、暴力をふるってはいけない・・・

それは聞いたこともなかった
回りは暴力にあふれていた
父は母を殴る
それを見ている誰も、それが悪いこととは言わなかった
母は一人前にできることがほとんどなかった
朝ご飯の時から、母の粗悪な朝食が並び
それにイライラした父の怒号が飛び
お箸が飛ぶのはもちろん
茶碗も味噌汁じゃわんが飛んだ
割れる物は父も遠慮していた
うちは貧乏だったからだ
でも、そんな風景が珍しい家ではなかった
学校に行けば、母親だけでなく
子供も殴られている子は大勢いた
私は父に殴られることはなかったから
まだ、ましな家庭だった