姉のこと

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章子が姉に似ていることは
康太は誰にも言わなかったのだが
速水がこっそり、康太に行った

「おじさん、章子ちゃんってママに似てるわね
しっかり者で、小さいのに自分より弱い者には
全力でお手伝いしてるとことか
ホント、ママそっくり
ママが生きていたらどんなにか喜んだでしょうね
私はママの期待に応えられなかった子供だったから」

速水のその言葉に

「姉さんは、僕には自慢の娘だって言ってたよ」

そう言うと、速水もうなずいて

「うん、ママの期待って、私が勝手に思ってるだけなんだよ
本当に完璧なママだったと思う」

康太は姉に恩返しがやっとできたと
章子を見つめながら心から思った