姉のこと

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小百合の実家の両親は
康太の血だと大喜びする
でも、康太にしたら自分ではないと言いたい
自分は姉のおかげで、今があるのだ
そんなことを思いながら章子を見ると
もしかしたら、姉に一番似ているかもしれないと思う

まず、顔が小百合には少しも似ていない
そんなことを誰も口には出さないが
康太によく似ていると言う
しかし、康太にも似ていないと思う
康太は顔は悪くはないが、父親にだった
章子は美人だった姉に似ているのだ

姉は中卒で、母の勧めで風俗の世界に入り
沢村に出会うまで、心が砕けそうな生活を送っていたのだが

もし、姉が今の康太の家で生まれていたら
章子のようだったのかもしれない
姉は美人だった母親そっくりだった

公立小学校での姉は、あんな家だったのに
優等生で運動もできて
美人で、近所のおばちゃんたちには
あの家にはもったいない子だと言われたらしい