姉のこと

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みぃが幸せになったことを誰もが心から喜んだが
本当に、一番喜んだのは康太だった

ほんの小さなころ
ミキから見た家族は、ただただ、仕方がない
そんなあきらめの対象だった
生まれた家がここだから
産んだ母親があれだから
学校は中学までしかいけないことは
小学校のころから薄々わかっていた
あの母親、おとなしいだけの父
どう考えても学校にやってもらっているだけ
ありがたいと思うべき家だった

母の男狂いは小さいころから見ていたから
それが普通で、女はそんな風に生きていくのだろう
学校でどんなに勉強ができたって
飯のタネにはならない
それが母の口癖だったから
自分も飯のタネになるようなことを
中学を出たらやるんだろうと漠然と思っていた