秋風

イメージ 1

まったく、完璧なエリート
大木は誰が見てもそのものだ
そして、みぃをはじめ、ショウも速水も
いや、恵さんですら
誰もがそれだから自分を受け入れてくれているように思う

それは、仕事ができるから、この会社の人材として必要だから
そう言う目ではない気がした
そして、実はそうではない!そう説明しないと
なんだか、彼らを裏切ってしまっているようで
大木はその日から、居心地の悪い思いでいっぱいになった

みぃと二人きりになったときに
大木はそう言う思いに耐えられなくなって

「あの、僕がここに採用された理由が知りたいんですけど」

みぃはあまり驚きもせずに大木を見た

「そうね、この会社で学歴とか育ちとかは優先しないから
ちょっと、焦る気持ちはわかるけど
だいたいの概要とかわかってきたら
あなたを重要なポストに置く準備はするから安心して」

大木はあまりに好意的なみぃの言葉に
困ってしまった
そして、本当のことが知りたくてたまらなくなった
自分がここで秘書をやっているのは
いったいなぜなのか?
いったいなぜ、こんなに優遇してくれるのか?