速水の子育て
「今日、塾におばあちゃん来たんだって?
ホント、嫌い!なんで一緒に住んでいないのに
しゃしゃり出てくるのかな~」
星人は両親が義母を煙たがっていることはよく知っている
速水が口に出さなくとも、そんなことは何となくわかる
だから、この二人から叱られそうな空気を感じ取って
先に祖母のことを嫌そうに話したのだ
「おばあちゃんは星人のことが心配なのよ
ママの代わりに行ってくれて
ありがたいって思わなきゃダメでしょう」
星人はむっとした
「だって、ママはおばあちゃんのこと嫌いでしょ
だいたい、塾に行くのだって賛成じゃなかったくらいだから
僕が塾に行かなくてもいいでしょ」
星人は開き直った
「塾に行かなくてもその代わりに
ゲーセンに行くのはどうかと思うよ」
「パパはいつだって、家にいないんだから
関係ないでしょ
塾のお金だって、東京で暮らしてるお金だって
お金は全部ママのものだから
ママが好きにしてるっておばあちゃんが言ってたよ」