長い恋の果て
あの家に生まれて
願いはただ一つ
なんの妥協もなく、ただただまっすぐな純愛
そして、沢村と会ってそれを手にした
もちろん、そこから速水が生まれ
それなりの苦労や悲しみがあったが
それでも、そんなことはどうでもいいことだった
沢村がミキのすべてを受け止めてくれている
その安ど感がミキを支えていたのだ
みぃが看病し
そして、康太もやってきた
「姉さん、しっかりして!
兄さんの亡くなった悲しみはわかるけれど
姉さんには速水がいるし
孫の星人だっているじゃない
まだまだ、楽しみはたくさんあるよ」
ミキのはそんな言葉、何一つ届かなかった
速水がタケオに出会った幸せは良かったと思う
でも、そこから先はミキの物ではない幸福だ
星人の幸せはミキのものではない
ミキはそれからまったく食べ物を受け付けず
真っすぐに沢村の後を追うことしか考えていないようだった