速水の悩み

そう、偉そうに話しながら速水は心の中で笑っていた
自分が一番好きな人、
家で大人しくお嬢様のような生活をしていても
母と楽しく買い物をしたり
父の大学にお弁当を届けたりと
昭和のうぶで大人しいお嬢様を演じていても
タケオのことはいつも心から去らずに
だんだんエスカレートしていくと、タケオを買った夜だって
何度も思い出し反芻しているのに
さて、こんなことを言っても大丈夫なのだろうか?
自分がそれに耐えられるのだろうか?
わからないが、タケオには

「タケオの好きなステージの人間に返り咲くために
お金は出すから
引っ越して、それから予備校を探して
まず、高卒認定を取らなきゃでしょ
そこを探して!いくらいるのか報告して
そしたら、そこに必要経費は振り込むから」

真面目な速水の話に、少し自信を無くす
沙羅にふられたばかりで
まぁ、ちゃんと高校行って大学に頑張って入った
普通の男子には学力では負けても
恋愛には完璧に自信があったのに
指名数ではトップかたまに木佐さんに負けるくらいなのに
これで、速水にすら体の関係を否定されたら
俺って何なんだ!ってことになる