速水の悩み

「女の子、ううん、それだけに限らずだけど
タケオは親が普通以上の企業に勤めるサラリーマンで
母親は育ちのいい家で短大程度の大学に入れてもらっていて
都内の普通より少しレベルのいい建築の家に住んで
子供は二人くらいで、どちらも小学校からは私立は無理でも
有名大学を目指すことのできる、偏差値の高い高校に通っている
そして、最終はその二人ともが都内では有名と言われる大学に通っている
そんな家の雰囲気をまとった人間が好きなの?
そういう中で生きていきたいの?」

タケオはこんなにしゃべる速水は初めてだった
でも、そこを聞かれて、確かにそうかもしれないと思った

今、夜の世界にいても派手で知性的でないものには惹かれない
でも、好きな環境は自分が中学までで捨ててきた場所だ

「そう言うわけではないけれど・・・・」

「頭がよくて趣味がいいっていうのはどう?
木佐がそうだよね」

木佐というのは速水にも呼ばれたことがある、
タケオの同じ事務所の先輩だ