速水の悩み

ハーミーという存在は
実はCGではなかったのか
そうとしか思えないほど
二次元の透明性があった
そんなワイドショーのコメントを聞きながら
そろそろ、そんな騒ぎも終息に向かっている

あの頃に個人的に親しくなった人間などいない
そして、普通の生活をすればするほど
あの頃の自分がある限り
普通の恋をすることなんて無理だと
確信しタケオのことは
諦めていた

彼をどんなに好きでも
彼が普通の女子大生の女の子が好きな以上
馬鹿馬鹿しい
本当にCGのように氷の心と
熱い体を持っていた速水は
すぐにその結論にたどり着いた