そして恋人へ

「私、戸田さんのそばにいたいな!」

え?!
中学生の女の子にそんなことを言われたら
軽く受け流して

『ああ、勉強でも今後のことでも側にいてくれれば
いつだって相談に乗るよ』

そう言わなければいけなかったのだろう
しかし、顔を真っ赤にした康太は
何も言えずに口ごもった

今まで、康太の外見について触れたことがなかったと思う
まず、ここは爺さんが糞じじぃになっても
女にもてていたように、だいたい、色事で成り立っていたような
家なのだから、器量はいいのだ
若いころは少し甘すぎる爺さんの外見
だから康太の母親は父親似の色気のある
美人というよりはかわいらしい顔だった
康太の父は顔はいいとは言えないが
長年、トラックの運転手をしていたので精悍な顔つき
そして背の高い性格からは思いもよらないほど
男っぽい風貌だった

ミキはかわいらしい母親の顔に父親のシュッとした
雰囲気と精悍さが加わって
文句のない切れ長美人

みぃは母親のほうによく似ている