そして恋人へ

「それは、手伝うよ
今、中学二年生だっけ?
高校で出るってこと?
どこか受験するってこと?」

「そう、中学の間はね
今、公立に変わる勇気はないんだ
小学校からずっと、女の子だけの世界でしょう
ママのことは嫌いだし
ママみたいな人も嫌いなんだけど
一番うまく付き合えるのも確かなの」

白いワンピースに少し茶がかった長い髪の毛
康太から見たらこの世のものとは思えない天使のようだ
できたら引き取ってずっと手元で育てたい
中学だとか高校とか
そんなくだらない箱になんか入れときたくない
そんな気持ちを隠しながら
優未の顔を見つめる
二人の親のどちらにも似ているように見えるが
端正な透明さがあって、美しい