康太の深淵

「いや、攻めているんじゃないんだ
妻に見せたら、結婚には絶対反対だったろうけれど
私は幸せに裕福に育った妻
そして、彼女にたっぷりと頭の悪い愛情を注ぎこまれた娘
そんな人間よりも、よっぽどいいと思うよ
それが言いたかったんだ
うちは、あの二人でまた、楽しく暮らし始めるだろうが
君が今度のことで余計な悩みを抱えないようにね
それに、お姉さんにも言っといて
幸せそうに見える普通の家庭なんてまったく
つまらないものさってね
まぁ、沢村教授もすばらしい人だから
余計なお世話だろうけどね」

そう言うと、鍵を置いて去っていきました

そうだ、あまりに常識や固定観念に縛られすぎて
自分を追い込んでしまう今までの生活
時間のロスでしかない
自分のやりたいことをのびのびとやって行こう