街の灯り
「僕、こっちに帰って来て
一番に自分の歴史を調べたかったんだ
一緒に調べませんか?」
ミキは自分もそうしたいと思った
生まれた場所、環境、血
恨んでばかりいた自分はいったいどうしてできたのか
沢村の言葉をきっかけに
自分も自分が生まれた理由が知りたくなった
「ショウ君、本当に知りたいの
知ってうれしくなりそうな歴史ではないと思うけど」
沢村が笑いながら
「真実こそが素晴らしいのさ」
ショウはうなずきながら
「そう思います」
その言葉を聞きながら
正二を思いだした
あの風俗の小屋で生まれて育って
その中で能力を開花させた、優しい正二
ショウはそっくりだ
次の日から二人で調べてみることにした
ショウはみぃにそのことを話すと
みぃはちょっと、心配げに
「お姉ちゃんはどうしようもないことを
嘆いたり、ぐちぐち考えたりする人だから
ショッキングな事実が現れたら
ショウがお姉ちゃん、あ、いや、ミキおばさんを
助けてあげてね」
そんなことをショウに言った