街の灯り

みぃのいうことはよくわかる
ずいぶん昔だが、自分が風俗の女であったから
そんな小汚い世界の女であったから
ミキに救われた人間だっていた
性に関しての悩みや汚さ怪しさは
まっすぐな明るい世の中では解決できない

ミキの手を握りながら泣き出し
妹に手を出しそうになる自分が怖いから
ここに逃げてくるしかないと言った若い男

会社で嫌なことがあって
家に帰っても何も楽しいことがなくって
ミキを抱きしめることだけが楽しみだという男

小学生の時から女の子にはキモイとしか言われたことがなく
30過ぎてもたった一人で、女の子としゃべったこともない
そんな男は世の中にずいぶんいるのだ
彼らはどこかで自分の中の熱量を発散しないと
おかしくなりそうだと言ってミキのもとに通ってくる

そう、わかっている
人はノーマルには生まれてこない確率だって
低くはないのだ

法律、教科書、常識、正義
そんなものでは解決できないこと