「え?いくらだったの1万円?」

あの頃、千円も入れてくれていれば
十分だったまわりのひとたちだったのだ

「ううん!50万円!」

「え~!!!!」

「もちろんすぐお返ししたわよ
でもね、一人ぼっちで寂しい暮らしを
うちのじいちゃんがすごく楽しいものに
してくれたから、お金、これでも少ないんですって言ってたわ
じいちゃんから朝、電話があって
みぃの面倒を見に行ってた日々は
毎日に張りがあって楽しかったんですって」

「ハハハ!じいちゃん、口がうまかったからな
電話とか横で聞いてたけれど
優しいとか美人とかうまいことペラペラ
話してたよ
でも、あのお婆さん、みぃの面倒を見てくれて
絶対、僕にもおやつ買って来てくれてた」

そんなことを話していると
自分たちが思ってたより
いいところもあったものだと
あの頃を振り返る