「それでね、だからなんだけど
僕はショックじゃないんだ
そういう環境で育ったからだと思うけど
女の人の性に関しては
世間が言うように夫一人とか操とか
全く気にしない
そうじゃない女しか知らないからね
僕の家では夫の前で別の男に
抱かれることですら
まぁ、あるだろう程度のことなんだ
速水のことだって
うちの血が混じっている女なら
不思議なことじゃない
本人には責任のない仕方のないことさ
だから、僕にそう言うことで
負い目を持つ必要は全くないよ
どっちかといえば僕の血が混じっていない
女の子を二人で育てることができるのは
考えてもいなかった幸福かもしれない」

康太のその言葉にミツホは泣き出した

ミツホが康太ではない男と寝たのは
その男を愛していたわけではなかった