速水が普通の高校生活をしていると
信じて疑わなかった、ミキにとって
それは衝撃の電話だった

それは同じ高校に通っている男の子の母親だった

「うちの子が悪いんじゃないんですよ
なんですか、誰にでもっていうじゃないですか
休み時間に誰とでもなんて
うちの子なんて純情ですからね
何とかしてくださいよ」

何のことかわからないミキの横で
沢村が立って一緒に聞いていた
沢村はそれがどういうことかすぐに理解したようで
受話器をミキからとると

「わかりました
本人が帰ってきましたら詳しく聞いて
また、連絡いたします」