.....の無い

「でも、まだ、遠くから拝見しただけです」

康太は珍しく積極的に、この女の子のために何かをしてあげたいと思ってしまった

「じゃ、教授に会ったら紹介してあげるよ」

そう言って地下の食堂に行くと
珍しく木原先輩が隅の隅で
パソコンを打っていた

「あ、あの人」

美しい仕立てのスーツ
完璧なモデルがこの汚くて古い食堂に
座って、雑誌の撮影か何かが
始まるかのような空間ができていた
みつほは、その様子にひるんだが
康太は慣れていて
すぐに声をかけた

「木原先輩、ちょっといいですか?」

そう言って、みつほの目的を話すと
康太をじっと見つめた
木原先輩も暗記力ではほとんど天才だ