......の無い

康太はミキの話を聞いて
苦しげに言った

「どうせそんなことなんだ
どうして、あの親父はあんな女と結婚したんだ
どうして、あの女はあんな女のくせに
結婚なんかして子供を作ったんだ
こんな家であることに
俺は死ぬほど苦しんだし
今でもそうだ、友人も彼女も
誰にも、うちの人間は堂々と紹介できない
みぃはその場所にいたほうが幸せなんだったら
それでいいさ、なまじ
こっちの世界にいてあの女のように
普通の男と結婚なんかしたら
また、俺らのような子供ができるんだからな」

康太の言うことは嫌ほどわかっている
そして、康太は口には出さないが
ミキにも、今、不信感を抱いている

ミキがここに帰ってくるまでに
風俗の仕事をしていたなんて
今まで知らなかった