その先

だから、誰も送ろうともしなかった

次の日、池に浮いていたところを

発見されても

誰も、送ればよかったとは

思わなかったほどだ。


爺さんが死んで以来、婆さんは伸び伸びと

楽しそうにしていた

まぁ無理もない

どこの家も、この婆さんが来なくなって

ほっとしていた


うちの母親も


「普通は1人になってかわいそうだけど

あそこばっかりは、そんなこともないわね

でも、あそこの健二さん

お葬式にも帰ってこなかったわね」


すると、父が


「健二は両親を憎んでいたからな

上にいた兄ちゃんは、親のせいで

死んだようなもんだった」