その先

「大学は、まぁ、孝之さんと同じで

頭がいいんでしょうけど

不倫する女なんて、まったくクズです

服はブランドものばかり

しょっ中、高級スーパーに通ってるし

きっと、お金は孝之さんが

出してるんですわ」


私は聞きながら


「で?それは私に話す問題じゃなくて

あなたたち二人の問題でしょう

私に言えるのは

トミーは大丈夫ってことかしら」


嫁は少し怯んだ

別れる気はなさそうだ


「それなりの慰謝料、もらいますよ!

でも、孝之さんが別れてくれるんならば

考えてもいいんですけど」


私は鯖鮨を切って、熱いお茶を入れながら


「とにかく、二人で決めとくれ。

はい!あそこの鯖鮨なんか

ご実家でも食べたことないでしょう」