2018-12-30 逃走 「おばあちゃん、ホテルに泊まろうよ! うち、ホテルに泊まりたい! ママがね、うちらが小さいころ よく、パパと喧嘩した時に帝国ホテルに 連れって行ってくれたんだよ」 この馬鹿な孫はペラペラと良くしゃべる 祖母の安江は孫の智恵理を呆れながら見る 長い間、田舎に暮らしていた安江は 息子の浩行とはできるだけ疎遠に暮らしてきた 嫁の家が資産家で苗字こそ息子の苗字だが 実際は入り婿同然なことはわかっていたし 田舎から出て行って、わざわざ、悶着を起こすこともない 孫たちともめったに顔を合わすこともなかった だいたい、孫は目に入れても痛くない!なんて 絵空事だれが言い出したんだろう?