おばさんであること
美也は何も言えないまま
妹のハナが部屋に入ってしまって
塾に行く気がないのを黙って容認した
しばらくして大輔が出てきたが
顔も合わせられない
どうしていいのかわからない
そんな日が続いて、三人で会う日がやって来た
美也は今こそ、彼女たちに会いたいと思った
三人そろうと美也はすぐに
「ねえ、聞いて!実は・・・・」
と立て板に水を流すように今までのことを話した二人とも黙って聞いていたが
「自慢のお兄ちゃんがそんなことになるなんてね~」
明美少しうれしそうだ
美也はそれは覚悟の上だ
徹君のことを心の中で、少し呆れて聞いていた自分がいたから
そう思われても仕方がない
「私なら、子供がいないからわからないけれど
その、女の子、なんか意図があるんじゃない
バカそうだけど、いちいち、美也のこと見て
挑発してくるんでしょう?
ただ、大輔君を好きってだけじゃなさそうじゃない
女の子って、男の子を好きになったりすると
もっと、しおらしくなるんじゃない
家族には気に入られたいとか思うものじゃない」
すると、明美も
「そうだよ!
うちのバカ息子の彼女とかも
すっごく猫かぶって私の前では大人しくしてたよ
ホントはとんでもない雌猫のくせにさ」