発達障害の母
「いじめ殺したって?」
私が驚いて尋ねると
「まぁ、たぶん本当のことだと思いますがね
あそこの爺さんが倒れて半身不随になった時に病院に入れるのはお金がかかるからって、息子と母親が二人で面倒見るからって家にいたんですが
その姑さんも意地悪な人で、看病を雅ちゃんにさせれば、必ずいじめ殺すだろうってふんでたようで、看病は子供ができない嫁がするのが当たり前だってさせたんだけど、案の定、雅ちゃんもあの性格だから、まともには見ないし親戚の話ではその爺さんあざだらけだったって話ですよ
それもベッドの端に紐をくくりつけて自殺してたからね〜その時間雅ちゃんはずっと、家に一緒にいたはずなんだから止めることはできたんじゃないかって.....
お姑さんにしてみれば邪魔な夫をバカな嫁がいじめて自殺に追い込んでくれたって
なんか、凄まじい話ですよ」
発達障害の母
帰って来ると
延々と苦労話が始まった
「とにかくいじめられてなぁ
子供ができないってだけで
こんなにいじめられなきゃならないなんて
苦労したんだよ〜
今まで我慢したのに
50幾つになって真剣に
離婚してくれなんて言われるとは
思ってもいなかったわ
そういえば、あ〜ちゃん
星田医院の先生、光男となかよかったよね
あの人死んじゃってさ
医者の不養生ってよく言ったものだよね
でもさぁ、あの、奥さんがくせもんでね
絶対、うちの旦那と一緒になりたかったから
毒でも盛ったんだと思うよ」
あまりの話に絶句していると
雅ちゃんの妹が呼びにきた
「お姉ちゃん。離婚でお金もらうまでは
あそこの家にいなきゃ
もう、いい加減に帰りなよ」
そう言って連れて帰った