発達障害の母

美味しいとは間違っても言える代物ではなく

だいたいイエスマンで気を使ってばかりの言動である父ですら

美味しくないと言わないのが、唯一の気遣いなのだが

舌がバカな母にはそんな私たちの気の使いようなど

全く通じない

母と時間を過ごすのは時間の無駄だ

そう割り切っている私とは別に父が酒を飲みながらも

いつも寄り添っていることを不思議に思っていた

その理由がわかったのは今だ

家の中で二人でいると、私がどんなに大事なことをしていようと

3歳の子供のように話しかけてくる

そして、相手をするまで横で何やかや話してくる

あの頃、父は私たちの代わりにその相手をしてくれていたのだ

側に来る人間をむげにできない性格も災いして

自分がひたすら疲弊していくのだ

今、私はよく

 

「明るくてかわいいおばあちゃまね~」

 

そう言われるのだが、それが一番苦しい