発達障害の母
自分で作るようになってわかったのだが
母の洋裁は随分危ういものだった
いつも畳に針が落ちていて、小さな私がいるのに危ない!と
父がよく怒っていたが、普通に服を作っていれば
畳に針が落ちることなどまず、ない
袖をつけ間違うことが多くて、イライラして
よけい間違っていた母の服を作る様子は子供心に
毎回なんであんなに間違うのだろう?
母は15歳から女学校を卒業するまで洋裁をやり
私が覚えている限り、かなりの村の家から洋服作りを
頼まれていた気がするが、本当によく間違えていた
自分で作ってみると、なぜ、あんなに間違えていたのかの
理由はわかったが、一二度間違えば、すぐに間違えなくなるものだ
弟が生まれたころには村の人から頼まれることはなくなっていたので
村の人もあまりに縫い直している服に呆れて
頼まなくなったのかもしれない