発達障害の母
あの頃は自分が世界で一番不幸だと思っていたし
母から逃げることばかり考えて
村の人間はすべて、子供から大人まで
母の子供である私を軽蔑して可哀そうだと思っている
そう、考えていた
しかし、こうやって大人になった目で見ると
本当に犯罪の温床だ
私が東京に出たばかりの頃の
池袋や鎌田、そして、新宿歌舞伎町
あのあたりよりも猥雑で平和や緑
そして、美しい空気を隠れ蓑にして
人は人を憎んだり、許したりしている
友君がここに生まれた時から50幾つまで住んでたことは
みんなすっかり忘れたように、話をしなくなった頃
うちの斜め前の女子高生を見て母が
「最近の若い女の子は歩く姿勢が悪いわね
まるで妊婦みたい!」
そう言ったときに、私ははっとした