発達障害の母

興味はなかったが可哀そうだと思った

連絡先を交換しなかったのは

単純にディスコのフロアなんか信じられなかったから

住所を教えることはできなかった

それが本音だったし、恵子ちゃんと私としては

バブルのどんちゃん騒ぎの真っただ中にいて

頑なにまじめに貧乏な学生をやろうと必死だった気がする

とにかく、心の奥底でディスコの修二なんか

頭の足りない不良だと思っていたのだ

その彼が探しに来てくれた

それは、迷惑よりも二十歳の女の子にしたら嬉しかった

 

公園の噴水の泊まった丸い淵に座って、時計を眺めている

青白い中に浮かび上がった彼は羽がないだけで

私には寂しそうな天使に見えた